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草川為:『八潮と三雲』&シンデレラ・ストーリー

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シンデレラストーリーの真価は「中流貴族の娘がハウスキーパー能力で、上流貴族および王家に就職する。優れた技能と会話力の女性(=女優)」にあります。
<やさしく優れた会話力の女性>と<美しい動作の女性>は、「待たない女」であり「期待を伝える=オーダーによって<殿方が収穫を握る>ように演出できる女」なのです。

草川為:『八潮と三雲』
連載最終話が、少女マンガ雑誌『LaLaDX』3月号(2014.02.10.発売)に掲載で、コミックは初夏(7月ぐらい)。
原作漫画から、ほぼ展開がない作品ですが。ちょっと揺さぶった経緯がある分だけは、展開があるといいな。

過去UPに『灰かぶり猫』(イタリアのナポリ地方の民話、日本では「シンデレラ・ストーリー」)のアイテムから。
灰というより煤=ココア
ハシバミ=へージェルナッツ
「ガラスの靴」は残念ながら、二次創作らしいです。まぁ、ベネチアンガラスを考慮すれば許容範囲なんですけどね。

2013-12-11 UP過去記事から。
シンデレラ・ストーリーの原作を聞いたことはありますか?『灰かぶり(=シンデレラ)』の、驚きの事情を、勝手に書きます。
わたしもありません。そこで、情報収集してみました。

500年の歴史があり、世界中で、地域性や時代ごとに適応した、その証拠に題名もヒロイン名も多岐でバリエーションがあるので、今回は「シンデレラ」で通します。

シンデレラ・ストーリーの最古は、伊Cenerentola:チェネレントラ(『灰かぶり猫』 のゼゾッラ)、と言われるようです。
仏Cendrillon:サンドリヨン(サンドのリヨン)、
独Aschenputtel:アシェンプテル(グリム童話『灰かぶり姫』のエラ)、
英Cinderella:シンデレラ
しかし。
「イギリス: cinder 、フランス: cendre 、ドイツ: Asche 、イタリア語: cenere 」はいずれも「燃え殻、灰」を意味する。
つまり、このシンデレラ・ストーリーの柱は「灰」。灰の元は「薪=樹」です。

シンデレラ・ストーリーには、果樹(ハシバミ、ナツメ)が登場しますが、基本の果樹はハシバミ(榛)です。
ハシバミ:ヘーゼルナッツの親戚。榛色は日本の伝統色の1つで黄茶。寿命は30年程度、高さは3m程度。
花言葉は「仲直り、真実、調和、直感、和解、一致」。
中近東(北アフリカからトルコ、アフガニスタンに到る、中東と近東の国家群)はナツメに交代したらしい。
ナツメ:夏芽に由来する。英語でJujube、クロウメモドキ科。果実は食用で菓子に重宝する。3年ほどで2~3mに成長。

この視点に立つと、白鳩はおまけ?
実は「不死鳥フェニックス伝説=灰の中から再生する火の鳥」の類似品、もしくは単純に「灰」をつくるご都合なだけ、かもしれない。
というのも。
日本で有名なシンデレラのモチーフは、1887年に菅了法翻訳による「西洋古事神仙叢話」にある「シンデレラの奇縁」など、と言われる。
仏シャルル・ペロー:『サンドリヨン、または小さなガラスの靴』。
ここでは果樹と白鳩ではなくて、善き魔女が、ガラスの靴を履かせ、カボチャの馬車に乗せる。
ガラスの成型には「薪の火力」が必要。なので「木のほうが重要だ」とわかる。

より古い形態を継承すると考えられている作品集は、1600年代ヨーロッパ最古の本格民話集のイタリアの
ジャンバッティスタ・バジーレ:『ペンタメローネ(五日物語、全51話)』採録の「チェネレントラ:Cenerentola(灰かぶり猫), 1日目第6話」
屋根裏でネズミを狩猟するメス猫を、擬人化したゼゾッラがヒロイン。ここでの継母たちは、ネズミ、もしくは定住するメス猫です。

実母と死別後。父が「妖精の鳩から授かったナツメの木の苗」をシンデレラが譲り受け育てた。このナツメが、魔法の樹だったので、樹からドレスと木靴を得る。
そして、城の祭りに参加した。

ジャンバッティスタ・バジーレの作品集には「スプリングビューティー(白雪姫)」「灰ぶり猫(シンデレラ)」「長靴をはいた猫」などの原形と
考えられている物語が、多数採録されている。


わたしの見立てる、シンデレラ・ストーリーは「猫の擬人化」です。

グリム童話集『アシェンプテル』(訳:ウィルヘルム・菊江、西村書店)から一部抜粋しつつ。猫の事情にそって編集すると、こうなる。
シンデレラを「狩猟型のメス猫=キャリアウーマン」とすると「安住型の雌猫たち」に追い出された。・・・はずです。これは、家猫であっても起こる。
擬人化すると、こうなる。
シンデレラは、中流貴族(ミドル)の娘です。それが実母と死別後は、ハウスキーパーをする日々で、日常的「灰かぶり」の煤(すす)けた女性でした。
こんなある日。
シンデレラは、実父が持ってきた「ハシバミ、もしくはナツメ」の小枝を、実母の墓に捧げるために挿し木にした。
そして、自活の合間に、実母の墓と樹を世話をする間に数年が過ぎて、立派な果樹になり「白い鳥の宿木」になりました。
シンデレラは「自助努力を尽くしたのに、どうにもできない窮地」の時は、実母の墓で、独り言をつぶやく癖がすっかりついてました。
シンデレラの独り言に、白い鳥が応えるようになります。ただし。シンデレラは「果樹の恩返しだ」と思い込んでましした。
それでも、白い鳥は良かった。
とある日。
王子の花嫁にふさわしい人を見つけるため、国中の若い娘を集めて、3日も続く舞踏会を催すといいました。
シンデレラは望みました。白い鳥はドレスと靴を届けました。こうしてシンデレラは三日連続で参加しました。

つまり。
魔法ではなく。ドレスも靴も「材料からハンドメイド=手作り自助努力=成りたい自分で在り続ける、しあわせ努力=トリック」だったのです!
・・・さすが、ハウスキーパー。どっ退きの自活力。

そして。
毎日、王子から「見送る」と申し出を受けましたが、シンデレラはするりと抜けて走り去りました。
王子は、どうやっても、シンデレラを捕まえられなかったのです。
だから、王子は、失礼を分かっていて、シンデレラが必ず通る階段に罠を仕込み、糊で捕えよう、と考えたのです。
最終日の別れの直後。
シンデレラは糊に足を取られます、それでも、靴を脱ぎ捨てて、逃げ切ります。

ポイントは「靴(ガラス製、草木製、金の靴)」です。
王子は入手したアイテムが「やけに小さな靴」に驚きつつも、国中を探し、シンデレラの実母の墓の近くを通ります。
そこで白鳩の声を聴き「その靴を血で汚さない、本当のお妃を探しなさい」と諭されます。
そこにシンデレラが現れます。
王子は、履かせなくとも分かりましたが、皆を納得させるために履かせました。もちろん、ぴったり。
王子は「靴=足跡、ハンティング」から見事、シンデレラと再会したのです。

王子は、シンデレラをその姿のまま、城に招待しました。その二人の肩には「白鳩の番」がいました。
王子の側近に守られて、城に入り。
王子の信頼するメイドたちによって、美しい妃となります。

要するに。有能な家猫が、より広い上流な貴族の屋敷に引き取られたんです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2013-02-26 UP過去記事から。
黒川伊保子:『シンデレラ・ブレイン』より。
シンデレラは「小さな足」で、毎日ハウスキーパーとして掃除に明け暮れる。って、どれだけのバイタリティでしょうか。
通常なら、中流貴族のハウスキーパーが、上流貴族の屋敷に就職する。これが自然です。
しかし。
シンデレラは、階級違いの結婚をしました。非常に珍しいことで、支度金を用意できない。
結局は「身一つ、技能のみ」で乗り込むのです。
妃となったシンデレラが「城内のハウスキーパー」として手腕を発揮します。すると、国の財政がスリムになり、
国政が繁栄するほど王を盛り立てました。

これが、わたしの支持する「ハウスキーパーのシンデレラ説」です。


2012-11-08 UP過去記事から。
日本の一般の共働きのハウスキーパーは「リスクのマネジメントは想定の内」で「気持ちいい安らぐコーディネイト」を担当する。定位置と道具と手続きが確立された。その先では、だれがやっても一定の結果に着地する、雑務と家事の創造的解決なのです。

ハウスキーパー【Housekeeper】
・本来は「最上位の女性使用人」を指す言葉。
・イギリスの中流階級の家柄出身の女性の上級職。通称「メイド長」で「一家の女主人の代行人」であり家庭内の整備と統御を行う。
・使用人としては「執事と同格の最高位」家庭の命令系統において第二位に位置し「ミセス」となる。どちらが上とは言うことができないが、家長の代行という権威の点で執事がやや上。公的な立場では執事が代行人とみなされる。屋敷内の実際の影響力では、執事すらも、ハウスキーパーにいどむ男はいなかった。
・日用雑貨と食料貯蔵室の番人であり「倉庫と女性使用人の全体(必ずしも女性使用人に限らない)」の監督を行う職。
・初歩的な「医療の応急手当、薬品の調合、道具や機械の修理」などの症状改善についての知識と知恵と技術も求められる。
というのが基本情報です。

夜ごと「鍵束の音とともに屋敷を見回るハウスキーパー(メイド長)」は年若い使用人の恐怖の象徴、ちょっとしたホラーでした。

恐ろしいハウスキーパーは、貴族の館でなくとも、現代だって、そこら中に実在します。自己中心的な人が家事従事として
自宅に巣食っていたら・・・誰があえて女郎蜘蛛の粘っこい巣に帰りますか?職場と酒場を右往左往したいですよ。
確かに高度な「掃除&整頓」の能力を発揮するのですが、いちいちチマチマ嫌みな批評をしては、命令する、
リスク・マネジメントに収まらない「現実感の豊かな嫌みと悲嘆」を正当化します。つまり「自己中心的な人」です。
現実感と「恐れ」回路を混同して、想像力を使いません。さすがに。
貴族の館のメイド長が「自己中心的な女」だったら没落直前でしょうね。

でも。

「恐妻=うんざりさせる女」とは言えない。
恐妻は「強烈な応援」の出来る女であって、生活を整えながら、夫が「己の到達する位置を目指す」のを見届けるのです。
せっかくなるなら、恐妻家もお得です。


煤かぶり猫を、広げて、蝋燭(ロウソク)の赤火について。
(青火もいい、けど。今回はロウソク。燃焼温度は、アルコールランプ1000度に若干及ばない。ロウソクの赤火は700~900度ですが青火の部分は1000度以上。実用性はないですが、飲むための湯沸しはチビチビ可能ですから、冬登山のビバークを楽しく演出するのです。)
じつは、ローソクの赤火は、シャンデリア風の演出になるんです。
赤火が神秘的に見える、その理由は、不完全燃焼の炭素です。炭素の素粒子が可視光を乱反射させてる。しかも、炭素の乱反射が「曙や夕日などの、太陽の最も弱い光」と類似するのですよ。安らぐ。
本当に落ち着く。
最後は煤だからほどほどになんだ、けど。ロマンスに成れるよ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
で。
バレンタインデーの2月。もう後半ですねぇ。
バレタインに食べよう。と探したんだ、けど。日本ではヘーゼルナッツは、匂いが定着しなかったらしく、ほぼ見かけない。

探してた。
出て来る出て来る。
各メーカーさん、楽しませて貰いました。日本人好みの味を整えるのに手をかけた。とわたしは思います。

独り言ですが「猫のフェイスのチョコレート+猫の鈴がヘーゼルナッツ」というデザインを期待してましたが、ついに、見かけなかった。

Meijiの『HAZELNUTS(ヘーゼルナッツチョコレート)』ヘーゼルナッツをクッキーとチョコで包み、口の中で、クッキーがほろり崩れる触感が砂丘を連想させて、なかなか、楽しめました。150円以下とお手頃価格で、10粒ほど頂けます。

知人が「ヘーゼルナッツ探してたよね!」と手土産にイタリアから輸入した「フェレロ ロッシェ」をくれました。この定番の美味しさは、チョコの中のウエハースの触感とヘーゼルナッツ(砕き、ペースト、一粒)の風味の賜物。
・・・そーいえば確認してなかった。

森永の『ピノ』シーズンフレーバーのヘーゼルナッツをホットコーヒーの湯気でちょっと解凍して、パクっと食べるのが、わたしの好みです。
外側のチョコレートのコクある口溶けに、ラクトアイスと、鼻を突き抜けるヘーゼルナッツ特有の香りが、滑らかな舌触りに合流して「ジャンドゥーヤ」の味わいが楽しめます。

余談。
NHK:『グレーテルかまど』より
ピーターラビットの『髭のサムエル』より「子猫のローリーポーディープディング」(単純に言うと、ジャムを巻いたホットなホールケーキ)があるんです。子猫じゃなくてキウイを巻こうと思ったんですが、手がかかり過ぎて断念。
クレープ屋さんで巻くのが妥当らしい。
フランスの「4月の魚:パイを間抜けたデフォルメひょうきんな魚型に焼いて、シリアルとクリームを敷いた上にイチゴ、キウイフルーツ、オレンジなどを鱗っぽく盛り付けるフルーツ」

余談。
東映グループを、わたしは過剰評価していたようで、今まで失礼しました。
わたしは「カッコ悪い男」が嫌いですが、それ以上に同性として「陳腐な女」を却下する。
醜い男と醜い女は、まだ観られます。良質な材料があれば、位置を決める事で「本来の美しさ」が出て来るからです。


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